地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
僕は何度も詰まりながら…
健さんから聞いた事をヤマト君に伝えた。
ヤマト君は最後まで静に聞き――――…
「罪悪感が…出たら…向かえに来る――――か…」
と、呟いた。
沈黙の続くホテルの一室は…
ヤマト君を再び孤独へと導くのではないだろうかと…怖くなった。
しかし、
ヤマト君は僕の傷ついた拳に自分の手を重ね――――…
「で――――…腹が立って殴ったんだ…バカだな…赤羽は」
と、苦笑いをする。
「だって――――あまりにも…自分勝手で…」
「そうだな――――…
それにしても、俺の知らない父さんの心理まで聞き出すなんて…
やっぱり赤羽はすごいな…しかも、俺の代わりに殴ってくれたんだろ?ありがとう」
僕は、頭を振った!
「ヤマト君――――…僕は、あんなヤツ…ヤマト君の父親じゃなくでよかったって思った!
自分勝手でわがままで!自分の事しか考えていない、あんな人間…初めて見た!――――いや…僕の周りに沢山いた…な…
えっと、だから…大丈夫!そんなヤツ…こっちから見限ろう!
お互い…周りの人間に苦労させられてるな……僕とヤマト君は…似てた?のかな?」
僕はヤマト君の手を握りしめながら…笑ってみせた。
「…同じ…じゃ…ないだろ?お前は、派手で…俺は地味だ」