地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
「ヤマト君は…どこまで知ってたの?」
手を握りながら…ヤマト君の顔を覗く。
「俺が…父さんの子じゃないって…ことぐらいかな?」
「――――え?戸籍とか?」
「いや、母さんの育児日記…精子バンクの事を父さんから聞かされた…とか、書いてあった――――…
中2から…一人で実家にいたんだ、遺品や離婚届、ましてや手紙は…父さんが見る前に見つけて読んでるに決まってるのに…
あの人は…どこか抜けてるだよ――――俺が今まで知らないとでも思ってたんだ」
ヤマト君は少し寂しそうに笑った。
「でもさ――――…流石に、“姻族終了届”や“自宅解体”は…ショックだった。
もちろん、今の母さんやチコちゃんの事も驚いた!
ましてや、「罪悪感が出たら~」って言い訳には…開いた口が塞がらないよ」