地味に甘い君
第36章 裏切りの真実
僕は繋いだヤマト君の手を更にギュッと包む。
「――――血が繋がっていないって事…分かっていたけど、理解して飲み込むまで…時間はかかった――――…
今は、毎晩考えることは無くなったけど…“父さんは俺を選ばない…俺を一人にする”って…幼い俺を苦しめた事実は意外に消えなくて…
俺の中に沈殿しるだけで――――…何かの拍子に…波立って底に溜まっていた泥をかき混ぜ…浮かび上がらせるんだ」
「熱――――…出したとき見たいに?」
俺は肩を落とすヤマト君をそっと支える。
「あ~…あの時は…他にも…原因があって――――…」
支えられたヤマト君はちょっと目を泳がす…
「他に――――?何があったの?」