
地味に甘い君
第39章 【番外編】財前の仕事…?
「そうなったら!他人なら!逆に訴えることも出来る!なあ、希!」
健はろくに読みもせず、各書類に名前と判をする。
「――――わっ…わかったよ」
希も健に急かされ、サインと判をする。
「――――こ、これでヤマトは他人になったんだな!やっと…ちゃんとした血の繋がった家族だけで…生活が出来る!母さんも父さんも――――弟夫婦にも報告しないと!」
弟夫婦の言葉に希の顔が歪む。
「では――――…ご家族三人…いや…四人ですかね?お幸せに…」
私の言葉に希と健が「は?」と、言う顔をする。
「四人――――って…どういう事ですか?」
「あれ?――――…ご存知なかったですか?最愛の娘様…妊娠中ですよね?」
健の晴れ晴れたした顔が一気に青ざめる!
「――――は?…は?娘は…18ですよ?妊娠って…冗談…を…」
「冗談ではないですよ?産婦人科で…ちゃんと確かめましたから…」
健は青ざめ娘のチカコに電話をしながら個室を出ていった。
