
地味に甘い君
第39章 【番外編】財前の仕事…?
「それでは――――…私はこれで」
書類を片付け席をたつと…
「――――こ、この事は…チカコの事は…誰にも言わないわよね!
こんな…非常識な事が…バレたら――――恥ずかしくて生きていけない!
健さんが知ったら…私たちも…捨てられる――――ヤマトや巴さんのように…」
もはや、希は自分を守るのに必死だ…
娘が…父親の子を身ごもっている事実も…多分ねじ伏せるだろう…
嘘に…嘘を重ね続ける――――…この女の運命なのだろう。
「言いませんよ――――…私は他人ですし…
貴女の家庭に――――興味はありませんから」
部屋を出て料亭に挨拶をし…外に出ると――――…
健が必死に娘と連絡を取ろうと右往左往していた。
――――自分だけ幸せになろうなんて…甘いですよ…毒親ども…
私は笑いたいのを必死でこらえながらその場を後にした。
