地味に甘い君
第45章 【番外編】やっぱり起きない…
可愛い寝顔だが――――…
何度も声をかけても!揺すっても!ヤマト君は一向に起きる気配がない!?
「ええ――――?ヤマト君?」
これは…一度寝たら起きないタイプの人種か?!
そう思うと…色々と試したくなる…
「よ~し!こちょこちょしちゃうぞ~!」
チーン…
「よ~し!イヤホンで曲聞かせちゃうぞ~!」
チーン…
「よ~し!ベッドまでお姫様抱っこしちゃうぞ~!」
チーン…
「よ~し!キスしちゃうぞ~!」
////え?――――えええ?
無理、無理!!男だよ?ヤマト君男だよ?ほら、ちゃんとゴツゴツしてる!ちゃんとお髭ちょっとある!ちゃんと…喉仏ある――――!
「///でも――――…お姫様抱っこ…出来た…軽かった…///結構…背はある方だよ?え?大丈夫ヤマト君?」
ベッドに移動させたヤマト君を上から見下ろして…
なぜか…ゴクリ…と、生唾を飲む…
「///キス――――…したら…起きる?キス…」
少し…ヤマト君との距離を縮めていく…
「スースー…スースー…」
寝息がうるさいくらい…近くで感じる…
「///起きない――――…ヤマト君が…悪い…」
僕は…そっと――――…
「は!?////っはあ!?――――ないない!ないない!ヤマト君、男だから!男!男だから!!キスとか!ないから!」
僕は目の前にヤマト君の唇を見つめながら大きな声で自分の行動を否定する!
「///ぅわ!こんな耳元で騒いでたら――――流石に起きるよね?――――って、起きないのかよ!?キャー!何?何?僕は!何?」
僕は慌ててヤマト君から顔を離すと…枕を抱きしめ部屋をのたうち回った!
「///え――――…なんだろうか…この気持ちは?」
こうして…自分の気持ちが分からない状態で…3日目の朝に突入するのだった…
【完】
そして、物語は始まるのでした!