テキストサイズ

秘密の楽園 / Produced by ぴの

第6章 秘密の楽園 5

☆m


「かずっ…掴まって…」

「ぅ、うんっ…」


手持ち無沙汰になったかずの手を取り自分の首に回す。


ぎゅっとしがみついてきた身体の熱さ。


二の腕のふんわりした感触、甘い匂い。


まるでさっき露店で見かけた綿菓子に包まれているみたい。


「ぁっ、まーく…ん…それ、何っ…」


甘ったるくって蕩けてしまいそう。


頭の中はかずをイかせること、かずとイクことでいっぱい。


俺の下で善がるかずの姿に気づけば兄なんて仮面は剥がされて、今や男としてこの愛おしい存在を満たしたい気持ちに溢れている。


「こうすると、気持ちよくないっ…?」


二人の熱を包み込んだまま腰を振れば手の中で擦れ合う。


裏筋同士が擦れ、括れに引っかかる感じ。


その刺激全てが絶頂へと押し上げていく。


「あっ…やだっ、こんなのっ…」

「こんなのイヤ?」

「まーくんと、エッチしてるみたいっ…」


そう言って一際きつく絡まった腕。


切羽詰まった声なのにそこからは嬉しさしか感じ取れなくて。


一瞬の目眩とともに限界が目前に差し迫った。


「…っ、かずっ…!」


きつく握り直した手を素早く上下に動かし、腰も挿入しているつもりで激しく突いていく。


ゴールめがけて加速し始めた欲望はもう止めることなどできない。


「ぁっ…まーくんっ…待って…出る、出ちゃうよぉ…」

「イクっつーんだよ…かず、イクって言って…」

「イクっ…まーくん、イっちゃ…」

「イって…俺もっ…」


抱きついていた柔らかな身体が一瞬硬直して、耳元で"イクぅ…"って悩ましい声が聞こえた。


ビクンと跳ねた身体とともに熱い吐息が耳を掠めて。


温かい飛沫が俺の手を濡らした。


そんなかずの絶頂の瞬間を目の当たりにしたら、一秒も堪えることなんてできなくて。


ほぼ同時に爆ぜた熱。


俺の手で収まることなく溢れた二人分の白濁はかずの腹をも濡らしていて。


「はぁっ…はぁっ…」


それを気にする様子もなく脱力しているかずの上で俺も倦怠感に襲われていた。


なんつーか…


すごく興奮した。


ほんの一歩でも動いたらそこはいつもとなんら変わりない俺の部屋だというのに。


今、俺の触れているところだけ。


かずと俺との間だけが全く違う。


もう今まで通りには振る舞えないよ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ