ドSメイドは基本普通の子
第2章 スペシャルなSではなく!?
「はぁ?何かってに帰ってきてるんだよ!ご主人様!」
――――え?ええぇ!?
お客様に向かって…ニッコリ「お帰りなさいませ、ご主人様」じゃないの?
あれ?ここはメイドカフェですよね??
「コーヒーが飲みたい?チッ!おとなしく待ってなさい!」
――――え?ええぇ!?
私のイメージとは…違う…違う――――!!
私の目の前にいるのは、開店前までニコニコしていた欄さんの豹変した姿…
お客様に対して雑な出迎えと「チッ!」と舌打ちまで!?
ええぇ!?ええぇ!?
ら…欄さん!?
しかし、そんな雑な対応にお客様は「はい!待ってます!」と、てきぱきとした返事をしている!?
ええぇ!?欄さん機嫌わるの?え?私なんかした?
「美羽さん――――…こっち、こっち!」
私が目の前の光景を理解しようと固まっていると…
カウンター奥のキッチンから店長が困り顔で私を手招きしていた
「は…はい…な…なんでしょう」
「すみません、お呼びだししてしまい…あの~…もしや…とは、思いますが…
美羽さんは…ここが”ドS“をコンセプトに展開しているメイドカフェだと知らずに…体験バイトしていたり――――…してませんよね?すみません、すみません!」
――――ん?
”ドS“?
「――――…ドS…って…
”サディスト“の“S”で…
“スペシャル”の“S”では…ないと…言うことでしょうか?
薄々は…感じておりました…
が!皆さんあんなに豹変するんですか!?ギャップが有りすぎてついていけないのが現状です!」