ドSメイドは基本普通の子
第13章 男の娘王子と鈍感姫
「デハ、明日オ待 チシテイマス!」
「待ってなくていい!!」
バイト終わりに出口でクリスに呼び止められ、明日の件を念を押され僕はどっと疲れが出た…
「ったく――――…忘れてたのに…」
クリスから無理やり手渡された学祭の何かの整理券と出店の案内地図に視線を落としていたが、帰りの支度をして出てきた美羽と目があった。
「――――…」
「何も言わないのかよ!って、その無表情やめろ!その大きな目で見るな!」
そう言うと無表情の女は少し目線を外すがまた、僕を見て無表情…
それでもなれてきたのか…女の顔が微笑んだように見えた。
「――――…」
「ほら、駅まで一緒に帰ってやってもいいんだからね!」
最近は何かと変な奴に絡まれる事の多いこの無表情モンスターを駅まで送るのが僕の日課になりつつある。