ドSメイドは基本普通の子
第13章 男の娘王子と鈍感姫
「早く来ただけ」
いつものように素っ気なく対応すると男はニヤニヤしながら僕を舐め回すように見て「中性的…」と呟いた。
うわ――――…キモイ!
少し後退りすると、男は気をよくしたのか…僕との距離を詰める…
「///君はどっち…かな?オジさん…どっちでもイケる口だよ?」
「は?何、言ってんだよ…おっさん!」
男は僕の睨む顔に余裕の笑みまで見せて――――…「君になら5万出せる」と言ってきた!
ふざけんな!?人を見た目で判断しやがって!
ムカッとし睨み付けたが――――…男は舌なめずりを止めない!
――――が、男のイヤらしい目が一瞬にして死んだ!?
僕の後ろに目線を置くと…そのまま固まっている…
男の視線が気になり…後ろを振り替える…
「美羽――――…お前か…」
そこには…無表情でおっさんをジーっと見つめる美羽が立っていた。
「な…何だよ……なっ…何もしてねぇよ…。
いや、これは…その~…悪かったよ……。
はい…すみません。もう、声かけませんから…許してください。
お嬢ちゃん…悪かったね…不快な思いさせて…これ、迷惑料…これで美味しいものでも食べな?おじさんが悪かった!本当にすみませんでした!」
え!?おいおい!?おっさん!
おっさんは美羽の無表情に、何かただならぬ闇を見たのか…俺の手に1万円札を握らせ慌てていなくなった!