ドSメイドは基本普通の子
第27章 【最終章】ドSメイドは基本普通の子
――――あの日…
和歌子が…私の目の前で切りつけられ…
倒れた瞬間――――…
私は倒れる和歌子をこの腕に抱き締めた!
第2波を警戒して和歌子を背に庇うも――――…
尾長とか言う…カフェ常連客の男は…狂ったように包丁を振り回し…
アパートや近隣の住民を威嚇し…泣いていた。
「和歌子!和歌子――――!?なんで!なんで!私をかばう!私は――――大丈夫…なのに!」
そう、言いながら和歌子を抱き寄せようとした――――…
「てん――――…ちょ…てん…ちょぅ」
顔を歪める和歌子の状態が怖かった!
右肩から中胸に向かって切りつけられている…止血をしようと上着を抜き…そこにあてがう!
「大丈夫――――傷は浅い…大丈夫だ!和歌子、大丈夫ですよ!」