ドSメイドは基本普通の子
第27章 【最終章】ドSメイドは基本普通の子
やっと出た声だが…何とも力がなく…かすれている。
――――そう言えば…私…包丁で…肩を切られたような…
右肩に手を伸ばそうと動かそうとするも…何故か動かない…
重い――――…のだ…
腕が重いと、感じたことなんか今まで無かったのに…
相当…いたいのだろうか…
重い瞼を開けると…
やっぱり…白い天井がある…
――――夜だった…のに…朝になった?
おかしいと思いながら、もう一度声を出してみる!
「――――誰か…助けて――――」
目を開けていたいのに…瞼が重くて開かない…
腕も重くて上がらない――――…
私の体はまるで鉛のようだ…
すると、パタパタと誰かが走ってくる音がする!
――――まさか!尾長さん!?
再び捕らえられ…酷いことをされるのかもしれない!と、思うと…体が震える!
でも、店長が来てくれた!
背中で私を庇ってくれた!もう、店長に怪我をさせたくない!
「三ノ輪さん!――――今の…三ノ輪さんですか!?」