ドSメイドは基本普通の子
第5章 ご主人様…無理ですよ!
精液ジャム騒動からしばらくは平穏な日々が続いた――――…
このまま何事もなく、大平さんの心配は心配事ですむかもしれないと思ったある日…
【Sメイドカフェ】に一人のスーツ姿のサラリーマンが来店した
「美羽さんを指名してもよろしいですか?」
「はい、美羽でございますね。かしこまりました、ご奉仕に向かわせます」
店長はサラリーマンの紳士的な態度に違和感を感じつつも、私をその男性の奉仕に向かわせた
「お帰りなさいませ、ご主人様」
深々と頭を下げると男性は「よろしくお願いいたします」とスーツケースを体の脇に置いた
――――初めて?の…お客様だ…
欄さんや順さんのお客様の中にも…こんなスーツ人いなかったなぁ…
「――――…相変わらずの無表情ですね」
ヤバイ…考え事をしていた!
「申し訳ありません…緊張すると無表情になる癖がまだ抜けなくて」
初対面なのに…何で“相変わらず”と言われたんだろうか…