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僕ら× 2nd.

第1章 みをつくし --Shu,Tk,R

~本條柊(シュウ)side~

歩道と車道の境界のない、疎水放水路際のその路地を歩く。
周辺には、ぽつぽつと座りこんだ2人組。
男女だったり、男同士だったり。

男同士なぁ、、。
俺のホテルもお断りしてるし。
悪いとは思うんだけど、使用後の汚れが半端ねぇんだよなぁ。

こんなとこでいちゃつくくらいなら、布団なしの部屋でも来てくれるかな…。
変態男女カップルよりも礼儀正しいヤツらが多いのに、一部のキワモノのおかげでなぁ。

と、俺が進む方向に脚を投げだしている男女が1組。
あっぶねぇなぁ、クルマも通るんだぜ?とまたいで何気にチラッと見た。

小さな街灯の光を受けて、青い顔のふたり。。
男に愛しげに頬を撫でられて、だけど目は虚ろで。

咄嗟に俺はその女の腕をつかみ、担ぎあげる。
撫でる対象をなくした男は、ぽうっと俺を見あげる。

女がキャーキャーと叫びだすけど、構わずに俺は先を歩いた。
通りの誰ひとり、俺を止める者はない。
だってみんな狂ってる。

その通りから少し行くと、ほのかなあかりが灯るドアに辿りつく。
店名を掲げないその店に、俺は女を連れこんだ。

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