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僕ら× 2nd.

第8章 小柴の予感 --Ar,Shu,Kn

「だけど、折角考えてくれたんでしょ?行くとこ調べてくれたんでしょ?」

いつもの鈍痛が始まりそうで、ひどい時には吐き気もやって来たりしちゃうから、予防のために今朝に鎮痛剤も飲んできたし。
私のために考えてくれたプランだし。

ま、足や腰は重だるいし、ゆっくりしたいのはヤマヤマであるけれど。
侑生君と一緒に過ごしたいのも本音なの。

「また次に行けばいーよ。花野が楽しめなきゃ、俺も楽しめない。俺は花野とこれからもずっと一緒にいたいんだ、無理すんな。花野はもっとわがままでいい、もっと俺に甘えろよ」

「侑生君って、時々とっても嬉しいことを言ってくれるね」

たまに辛い波が押し寄せるこの身体、わかってくれる彼がとっても頼もしくって大好きで。
私は、彼の首に腕を巻き付けて抱きついた。

すると、彼は私を引き離して苦笑い。

「すみません、花野さん。俺、試されてます?」

そう言って、自分の下腹部に手を当てる。

え?大きくなっちゃったの?

もしかして、キスもしちゃよくない?
さっきは胸を触ってたのに?

「ごめんなさい。だって、大好きなんだもの」

彼はそこを親指でぐっと押して…何かツボがあるのかしら?

ふぅっと息を吐いたあと、柔らかい笑顔を見せてくれた。

「俺も大好きだよ。今日はゆっくりしよ。ケーキ食べに行こ。さ、ベルトして?」

「うん!」

ふたりを乗せたクルマは動きだし、彼は空いた手で私の手をそっと握ってくれた。

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