僕ら× 2nd.
第9章 城 --Khs,Kn,R
~依田晄志side~
年明けて、冬真っ盛り、俺たちは飛ぶ。
彼女とはきっと最後になる旅行。
「もう、このコは相変わらずなんだから」
隣シートのふくよかな森み(森みどり)にしがみつく彼女は、まるで子どもで。
前の隙間から振りかえる小津があきれて言った。
「花野。それ早く克服しなよ?周りにヨーダしかいなかったらどうするのよ?」
"それ、どうゆう意味?"なんて尋ねたら、毒針で刺されそうだったのでやめておいた。
かわりに森みがやっぱり笑う。
「ヨーダだらけの飛行機、怖っ!」
「そのまま宇宙に行っちゃいそだもんね」
世のなかの依田さんは、自分の名前をどう思ってるんだろう。
いじられてラッキーなのか、アンラッキーなのか。
着陸後の電車に乗りかえ時。
飛行機で腰砕けの彼女はフラフラと青い顔で、祐一朗に荷物を持ってもらい、担任に支えられながら乗りこんだ。
「花野ちゃん、大丈夫?」
「うん。だいぶいい…」
顔を覗く俺に、彼女は弱々しく微笑んだ。
年明けて、冬真っ盛り、俺たちは飛ぶ。
彼女とはきっと最後になる旅行。
「もう、このコは相変わらずなんだから」
隣シートのふくよかな森み(森みどり)にしがみつく彼女は、まるで子どもで。
前の隙間から振りかえる小津があきれて言った。
「花野。それ早く克服しなよ?周りにヨーダしかいなかったらどうするのよ?」
"それ、どうゆう意味?"なんて尋ねたら、毒針で刺されそうだったのでやめておいた。
かわりに森みがやっぱり笑う。
「ヨーダだらけの飛行機、怖っ!」
「そのまま宇宙に行っちゃいそだもんね」
世のなかの依田さんは、自分の名前をどう思ってるんだろう。
いじられてラッキーなのか、アンラッキーなのか。
着陸後の電車に乗りかえ時。
飛行機で腰砕けの彼女はフラフラと青い顔で、祐一朗に荷物を持ってもらい、担任に支えられながら乗りこんだ。
「花野ちゃん、大丈夫?」
「うん。だいぶいい…」
顔を覗く俺に、彼女は弱々しく微笑んだ。