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僕ら× 2nd.

第10章 …---… --Shu,Ar

「納得する前に、入籍しろって言って来るんだろ?言い訳ばっかで会わない俺の結婚話を聞いて、花野はどう思うと思う?俺さ、お前がやられたみたいに、勝手に子孫作られんじゃないかって思うんだ」

…アルはこの短時間で、きっといろいろ考えたんだろうな。
楽観的なお前が、そんな未来のことを気にするなんて。

「それでも信じてくれるさ」

これは、気休めにすぎねぇ。
妻子のあるとわかった男を花野ちゃんが好きでい続けるなんて、俺も思わねぇ。
だけど、その時は俺も説得にかかるから。
ここは、無謀なことはしないでほしくて。

だけど今週、あれこれと親父らに揺さぶられたアルは、そんな口車に乗りはしなかった。

「…俺は嫌だ」

首を横に振りつつヤツは言う。

「このまま花野の心が離れていくのを手をこまねいて待ってるなんてできねぇ。『慎重であるよりは、果断であれ』って言うだろ?やらないで後悔するなんてまっぴらごめんだ。何より俺が、耐えらんねぇよ」

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