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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

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鍋の焦げ付きはキレイには剥がせず、でも使えなくもなく、「もともと厨房からのお古なんだし」と言って諦めさせた。

キッチンを片付けて、昼食後に妹と荒物屋でも行くかと考えていたのに、俺は事務所から「早く来い」と呼びつけられる。

何か不備があったかと急いで駆けつけると、顧客からアイスケーキを大量に貰い、冷凍庫に入りきらないからみんなで分けるとか。
そんな、どうだっていいことで!

まあ、折角なので、なくなりかけたドライアイスと10人分程を貰って帰った。
だけど、もう夕方。

あーあ、デートしそこなったなぁ。

思いがけない夕食後のデザートに、妹はとっても喜んでくれたけど。

その後の夜は、きょうだい3人で映画を見た。

ラブシーンでうつむく妹に、口角が上がる俺。
そして余裕の兄貴は2人の動きを認めつつ、微動だにしないんだ。

そんな中で俺は考える。
俺たちの弟、妹の元カレ:リィ生存の可能性。

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