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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

軟膏を塗ってガーゼを当てた上から、「早く治れ」と手をかざす。

小さな妹の手、それでも昔よりもどんどん成長して。
いつも俺と手を繋ごうと、必死に伸ばしてきたその手なのに。
中学に上がった俺と離れるのが嫌だと、つかんで離さなかったその手なのに。

今や、この手を繋ぎたいのは、俺の方…。

「水泡、破るなよ?その方がキレイに治るから」

「うん。ねぇ、お兄ちゃんは彼女さんに、お料理作ってもらったことある?」

妹は、くりっとした瞳を俺に向けてくる。

「え…?まぁ、あるけど」

留学中に押し掛けて、俺の冷凍庫を勝手に…。

「どんなの?何が嬉しかった?」

「え……」

俺は食べたいものを食べるから、そっとしておいてほしかったけど…。

「ねぇ、教えて?」

軽く口を開いて、そう見つめられては…。

「……好きなコが作ってくれたら、何でも嬉しいよ。ハニィも俺に作ってくれよ。彼氏より先に味見してやるよ」

彼氏にではなく俺に作ってほしくて、そう言った。

「ん。ありがとう!お兄ちゃん」

笑顔を交わした俺は、心の底で黒く思う。
俺がずっと合格点を出さなければ、彼氏は未来永劫、妹の手料理にはありつけないんだ…。

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