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僕ら× 2nd.

第1章 みをつくし --Shu,Tk,R

部屋に戻ってきたリィ兄は、ジャケットがかかっていることにすぐに気がついた。
服の上から左のポケットを触っている……バレたな…。

「孝明、俺の服吊るしてくれてありがとう」

ニシッと笑った。

「すみません。落として、見ちゃった」

「よし、正直者」

「ふたりとも可愛いね。そのコたち、いくつなの?」

リィ兄は、ケースの中身を確かめながら、「両方、当時14」と放った。

「今は?」

「…17。現在高3」

俺の1つ年下かぁ。

「てことは、リィ兄の弟妹?」

腹違いか、弟妹分か。

「そんなとこだね。そして、男の方はアル兄の弟だよ。覚えておいて?」

「ああ、どっかで見た顔だと思ったら、次期総帥の弟さん…」

でも、あれっ?
弟さんって、海に、だよな…。

ああ、そうか。
それが宛名の伊織君か。
そして、並ぶ女のコが花野ってコ…。

そっか、だったらもう…。

「横の女のコは?」

「ヤツの筒井筒(恋仲の幼馴染)」

やはり、そうなんだ…。
だって、あれは…彼女との旅行先での事故って聞いてたよな?

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