
二人のキセキの物語 MN
第65章 背中合わせの二人11 潤
「ね、潤、ここに座ろ?・・・よいしょ、っと」
掛け声をかけながら脚を上げてシーソーの板を跨ぐカズ
「おっさんか」
「んふふ、俺はもう21になって潤より年上だからねぇ、おっさんかもね」
「・・・・・・」
シーソーの真ん中に背中合わせで座り
完全にどっちかに傾いたりしないよう
足に力を入れて バランスを取りながら上を向く
「今日は 星、結構見えるな」
「うん、東京にしてはかなり綺麗に見える方かも」
満天の星、って言ったら大袈裟だろうけど
この時間は深夜営業の店のネオンもほとんど消えて
普段見上げる夜空より色が深い気がするし
公園の周りは低層のマンションが多いから
上を見上げれば 夜の空を見渡す事が出来るのも
ポイントが高い
