
二人のキセキの物語 MN
第71章 再会の二人6 智
「ごめん、気が付かなくて」
「え?・・何が?」
「翔ちゃん忙しいのに、いつまでも引きとめたりして。もう帰らなきゃね」
「え・・いや、俺はそんなでもないけど・・・そっか、でもそうだね
智くんもやりたい事あるだろうし・・もう遅いから帰るね」
翔ちゃんは 気を悪くした様子もなく いつもの優しい笑顔
この笑顔で 誰かを見つめるのかと思うと
息をするのが苦しくなる
俺、いつのまに こんなに翔ちゃんの事好きになったんだろう
人にも物にも 所有欲とか独占欲とか
全然感じる事無く生きて来たこの俺が
翔ちゃんの事だけは
俺の、俺だけのモノにしたい
翔ちゃんにも 俺の事を好きになって貰いたい
・・なんて考えてしまう
