二人のキセキの物語 MN
第72章 再会の二人7 翔
夜はしんしんと更けていく
智くんは肝心のところで 大きな勘違いをしたままだし
俺はと言うと、頬には痣を作り
鼻血も漸く止まったところという情けない状況
どう贔屓目に見ても
物語のヒーローやヒロインには相応しくないだろう
ただ、俺達のこの再会は
漫画や物語に匹敵するぐらい
ドラマチックと言っていいかも知れない、
なんて、心のうちでちょっとにやけながら考えてるよ
「あのね・・・」
智くんの優しい眼差しと甘い声で
今 俺達の長い軌跡の物語が紐解かれる