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二人のキセキの物語 MN

第10章 出逢いの二人10 ニノ



『何あれ・・アイツの為にわざわざ買ってあったの?』
『・・そうだよな、誰も焼酎なんか呑まないもんな』

『何してる!?何してるって訊いてんだよ、答えろよ!』


それは、後になって監督と俺の代表作とも言われることになる「青の炎」の推敲途中の脚本で

母親を問い詰める場面では イライラと歩き回り
妹を庇って 怒鳴る場面ではバットを振りかぶる動作をする


始めこそ気になっていたものの
いつしか服を着てない事なんか忘れて
夢中になって動き回った


「よし」

監督がパン、と手を打ったところで
ハッと我にかえり 
慌てて台本で身体を隠す




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