二人のキセキの物語 MN
第12章 出逢いの二人12 ニノ
12-1
足音が遠ざかって行き
玄関ドアがバタンと閉まる音がしても
もしかして、部屋のドアを開けたら
潤くんがそこに居るんじゃないかと思うと
俺はベッドの中から出られずにいた
今のは何?
知らない男みたいに乱暴で下卑た声
今のは本当に潤くん?
窓から外を覗くと、丁度道路に降りた潤くんが
上を向こうとしてるところで
部屋の電気は点いてないから
俺の姿は見えないだろうと思っても
慌ててカーテンを握りしめ
端からそっと片目で見下ろす
潤くんは暫くこっちを見ていたけど
首を振りながら
駐車場に置いた車の方へと歩いて行った
よかった・・本当に帰ったみたいだ