二人のキセキの物語 MN
第12章 出逢いの二人12 ニノ
そろりとベッドから降り、寝室のドアの鍵を外す
居ないとわかっていても 細くドアを開け、
隙間から覗いた
はぁ、と安堵のため息を吐きながらも
悔しかった
潤くんが俺の言葉を信じてくれなかった事も
腕を掴まれ、押し倒されても
満足に抵抗も出来なかった事も
いや。
と言うより、
そもそも、こんな事を打ち明けようと思った事が
間違いだったんだ
真面目で真っ直ぐな潤くんにとっては
俺のしたことは
不潔で不純な事としか思えないだろう
瞬時に咀嚼出来なくたってしょうがない
きっと 俺は 潤くんの為に、じゃなくて
自分が楽になりたいから打ち明けようとしたんだ