二人のキセキの物語 MN
第21章 親友の二人5 潤くん
どっちにしても ニノには
俺より優先させる何かがあるってことだ、と
いじけて、捻くれて、不貞腐れて、
ほとんど眠れないままに朝を迎えた
自分でもどうしようもなく
心がささくれ立って、ニノにトゲトゲした声を出してしまう
いっそのこと ニノが怒ってくれたらよかったのかも
「何でそんな事で不機嫌になってんだよ!」
そんな風に言われて
「ニノが誰かと出かけて朝帰りしたんじゃないか、って嫉妬したんだよ」
「監督とはもう何でもないって言ったけど ホントは二人一緒だったんじゃないか、って 気になったんだ」
「そうじゃなくてもニノの事心配なんだ、夜も眠れないくらいに」
心の中、ざわざわする気持ちを
全部吐き出してぶつけられてたら
今、俺はこんな風に苦しい気持ちを抱えていないんだろうな