二人のキセキの物語 MN
第24章 親友の二人8 ニノ
「これでいい?俺 観たかったんだ」
「いいよ」
バリバリのアクションものか
VFX満点のSFかと思ったんだけど
潤くんが選んだのは 意外にも ファンタジー要素の入った感動系
二人並んで コーヒー片手にポップコーンをつまむうちに
繰り広げられる家族愛の物語に
ヤバい、これは泣くかも、
と 嫌な予感に襲われた
こういう真っ直ぐな感動もの、特に家族愛は俺ダメなんだよ・・・
だけど、二十歳も過ぎた男が 映画観て泣くってどうよ?
絶対潤くんに笑われるじゃん
途中から 真剣に観ちゃダメだ、と 自分に言い聞かせ
でも、いくら何でも耳を塞ぐことは出来ないから
聞こえてくるセリフや音楽を締め出すように
頭の中でヨソゴトを考え始めた