二人のキセキの物語 MN
第24章 親友の二人8 ニノ
その結果、何とか 涙を堪えたまま
エンドロールを迎える事が出来たんだけど
場内の灯りが点くと
「うー・・・」
呻き声にも聞こえる小さな声に横を向くと
何と 潤くんが目を真っ赤にしてハンカチを握りしめてる
「潤くん・・・?」
「良かった・・・」
「え?」
「良かったなぁ・・・」
目を伏せると ポロリと零れる大粒涙
綺麗な涙は 潤君の素直な心そのものだ
そう思った瞬間
俺の心の奥底に 潤くんの涙がポトリと落ちて漣を作り
水琴窟のように綺麗な音が響いた気がした