二人のキセキの物語 MN
第30章 クリスマスの二人2 ニノ
「松本さん」
「・・・・・・」
「このチケットあげます。勇気を出して、好きな人誘ってみて」
「・・・・・・」
「あたしがこれだけ勇気出したのに、男の松本さんが 勇気出ないなんて 言わないよね?」
「え?」
「帰ります、聞いてくれてありがとうございました」
「・・・・・・」
潤くんの手にチケットを握らせた美玲ちゃんが
立ち上がって 歩いて行く
俺は 言葉も無くその背中を見てるだけ
潤くんは・・、と、そっちに視線を投げると
手の中のチケットを見つめたまま 微動だにしない
「・・・潤くん・・・?」
そっと声をかけると
ハッとしたように 俺の顔をまっすぐ見つめた
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