二人のキセキの物語 MN
第1章 出逢いの二人1 潤くん
バチバチと音が聞こえそうなほど火花を散らしていた女の子たちは
嫌味や当てこすりの応酬から 徐々にエキサイトした悪口の言い合い
果ては掴み合いの喧嘩にまで発展し
最後は “ 本命は誰なのか、誰を選ぶのか ”と詰め寄られた
その様子は 鬼気迫るものがあり、とてもじゃないけど
愛だの恋だの語る気分にはなれない
「悪いけど全員本気じゃない、遊びに過ぎない」と宣言し
お引き取りを願った結果
当然のように みんな烈火のごとく怒り狂って
俺の傍には誰も残らず
だけど、きっとこれでいいんだ
これまで あまりにも上手く人生転がりすぎてるからな
もうちょっと困難や苦境ってのを
味わうのもいいかも知れない
そんな罰当たりなことを考えていたある日
俺に転機が訪れる