二人のキセキの物語 MN
第45章 始まりの二人8 ニノ
「感じてる?」
・・・違う
俺に触らないで
「もっと気持ちよくしてあげる」
・・・嫌だ
やめて・・・
懸命に瞼をあげようとし
僅かに開いた隙間から灯りが差しこむ
逆光になったシルエットは誰のモノか判別できない
誰・・と問おうにも
唇も思うように動かせず 微かに開くだけ
言葉は意味を持つ形を成さないままに
切れ切れの吐息だけが零れる
ぎしり・・と小さな音を立てるスプリング
ベッドがたわむのを感じながら
俺の意識は再び深い所へ転げ落ちて行った