テキストサイズ

地下アイドルの休日

第3章 夏休みはキャンプに行こう

フルーティ鍋なんていうとそのアイドルカレーやハヤシを真似したみたいで憚られるが、東北まで行けばまあいいかとなった。

ちなみにちはるんはフルーティカレーやフルーティハヤシをふるまおうと提案したが、それは却下された。

「赤字覚悟の出血大サービスって、原価かかってないでしょ、いただきものなんだから。鍋やコンロも現地でお借りするんだから」

とあやのんがツッコミを入れるとさらに会場は大爆笑になった。

ってなカンジで東北行きの前日のハードスケジュールも歌と笑いで無事に終了して夜明け前に出発してフルーティは東北に向かった。

朝食はちはるんなたっての希望でまたまたピーターパンのパンである。

「わ~い、ピーターパン。しばらく会えないピーターパン、再び会うことのできるのはいつの日か」

とちはるんは超嬉しそうにしている。

「東北から帰ったらまた食べれるでしょ」

とツッコミを入れながら、あやのんはちはるんがどんだけピーターパンが好きなんだろうと少し呆れていた。

「でも、東北から帰ったらすぐに沖縄に向けて出発するのよ。もちろんあやのんも行くでしょ」

とちはるんはニコニコしている。

「え~っ、沖縄~っ」

ちはるんの口からこれまた突拍子もない遠方の土地の名前が飛び出して、しかも自分も行くことになっているのであやのんは驚いた。

休みをもらえば活発にどこかに出かけるちはるんとは対称的にあやのんは家に引きこもって好きなアニメを見たりマンガを読んだりして過ごすのが好きで、今回もそうしようと何のアニメを見ようかと考えていたところだったのに急に巻き込まれて少し迷惑でもある。

なんでも、ちはるんが熱狂的に応援しているオワローズのキャンプが沖縄であるのでそれを見に行くんだとか。

オワローズはちはるんに巻き込まれる形であやのんも応援するようになり、女社長も応援するようになって、今ではフルーティが公式に応援している野球チームであるが、試合もなく練習しているのを見るだけのためにはるばる沖縄とはちはるんはどんだけオワローズが好きなんだろうとまたまたあやのんは少し呆れている。

しかし、沖縄といえばエメラルドの海もあるし美味しい料理やお酒もある、いつかは行ってみたいと思っていたが、こんなことでもないと出無精の自分は行くことがないと結局あやのんも沖縄行きを決めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ