テキストサイズ

Living with Simone アイツと暮らせば

第14章 シモーネ失踪

親を呼んだ方が良いんじゃねーかとか話したんですけどね、シモーネのこと何も知らんのですよね。
ミカもアレックスも。

「ねぇ、ちょっと高校時代の友人に親の連絡先とか聞いて貰った方が良いんじゃない?」

ミカは割とこうみえて心配性ですね。
ええそういう事にしとこうね。

「うーん。そうだねぇ。
こんな時の為に聞いといた方が良いかも知れないね。」

ERのお医者がやってきた。

「あ…ただの脱水。
ちょっと酷いけど。点滴して返すわ。」

ってね。

…なんだよただの脱水かよ。

家に連れて帰ったんだけど、
どーも覇気が無い。
そんだけ具合が悪いのかも?どうも違う。


「知り合いがHIVで亡くなった。最期を看取って来たんだ。」

ふーむ。

あいつの場合知り合い=ヤッた相手。

「自分は大丈夫なの?」

遠回しに聞く必要も無いので、ズバリそのまんま。

「検査して大丈夫だった。」

要するにかなり昔に付き合ってた相手。
知り合いにもHIVをカミングアウトしてるゲイ友もいるけど、生存率もあがってるとはいえ、
ただやっぱり日々怯えて暮らさなきゃいけないのは、
変わらないんだよね。

「そっか…。」

コイツだって破茶滅茶してるから、分からんよね。

「精子凍結しようと思ってる。」

…へ?いきなりコイツ何言ってんの?

「子供はいつか欲しい。」

…いやいや子供のあんたに子供の面倒はみれんでしょ?

「もしお前が、この先結婚しないで子供が欲しいと思ったら、俺のを使ってくれ。」

…えーっと。ごめん。何血迷ってるの?

なんかシモーネとっても弱気になって
思考回路がおかしくなったらしい。

いや…前からおかしいけどさ。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ