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青色と黄色の短編集

第4章 おやすみなさい

Oside




プルルルル…





珍しくニノから電話。





うちに忘れ物してるよとか、
最近夜遅くまで絵を描いてるみたいだけど
ちゃんと寝てる?とか、




優しいけど、わざわざ電話しなくても
いいのにって思うことばっか。



明日も会うんだし。






さてはニノ、さっきのドラマ見て
人恋しくなったな?

可愛い奴め。





電話の最後に
お互い「おやすみ」って言って切った。




夜だし、普通に出てくる言葉。




おやすみって、
相手を労う言葉なんだね。




1日色んなことがあって、それを乗り切って。


また明日に備えて、ゆっくり休んでねって、


そういう事なんだなって思う。





小さい頃母ちゃんが言ってくれた
「おやすみ」には、


どこか安心感があった。




おやすみって言ってもらえると、
なんか穏やかに眠れるような気がしてくる。





おいら達の仕事だって楽しい時もあれば
大変な時もある。



今日みたいに風が冷たくて、人恋しくなる時も。




寝る前って色んなこと考えちゃう。





でもね、今日を生きられたのはいいこと。


毎日大変でも、1日1日一生懸命頑張った人が
今日を迎えてて、

明日もまた生きられるかもしれない。



風が冷たくても、
おいらはニノのそばから離れたりしないよ。




だから、今は安心してベッドに入ってね。




そんな意味を込めて、







おやすみなさい、大切な人。







end



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