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子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます

第7章 愛され過ぎて




デザイン開発課では、総務課の仕事で何度も出入りしていたから、

特に自己紹介もなく、挨拶しても、何度も会ってるじゃないかと笑われて、

優しく歓迎された。

あたしは主に住宅デザインの仕事に係わることになり、デザイナーの人に自己紹介された。


「鈴木 遥斗(すずきはると)です。森下さんの後輩になるんですよ、同じ大学出身です、よろしくお願いします、とうぶんは俺と一緒に行動することになると思いますんで」


鈴木遥斗くん、デザイナーで、あたしよりも3つ年下の後輩。

何度か見かけたこともある、人懐こい笑顔。

女の子みたいに可愛い外見、アイドル顔で華やかな雰囲気、

身長は高くてアンバランスな魅力のある人だ。


「よろしくお願いします、同じ大学何ですか?」

「森下さんはいい意味で目立つから、良く知ってますよ、文化祭で出してた作品も覚えています」

大学は4年まで行って、就職もなかなか決まらなかったから、

芸術家のような生活をしてたのを思い出す。

「もう昔のことです、住宅デザインは、ずっとやりたかった仕事なんで嬉しくて」

早く仕事内容を教わりたくて、ウズウズして落ち着かない。

そんなあたしを見て、鈴木くんはにっこり笑った。

「だったらちょうどいい仕事が入りました。新しくオーブンする居酒屋の仕事です、老夫婦が小さな店でやってたんですけど、息子夫婦さんが手伝うことになって、今から打ち合わせに行くんですけど、一緒にいきましょう」

「はい、是非よろしくお願いします」

鈴木くんは新しくオーブンする、居酒屋の場所の地図や資料を準備して、

会社の営業車の手配をする。

営業車は真木部長が管理してるから、総務課に行き、一緒に鍵を取りに行く。

「今から打ち合わせ行くのか?」

誠也さんに鍵を渡されて、受け取りながら、満面の笑顔で頷いた。

「はいっ」

「任せて下さい、真木部長」

ふっと笑う誠也さん。

その笑顔の中に、寂しそうな影が見えて、一瞬どきりとした。

「森下のこと頼んだぞ鈴木、……行ってこい、あそこの大将はこだわりが強いから、要望を良く聞くようにな?」

「はい」

返事をして鈴木くんと総務課を出て、みんなに応援されたんだ。


「……もっと早く手離せれたら、良かったのかもな」

ぽつんと誠也さんが、一人呟いたのには、誰も聞こえてはなかった―――

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