子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第8章 本当に好きな人
目が覚めたら、目の前には誠也さんの、綺麗な顔があって、
あたしは暫く見惚れてしまうの。
睫毛が長くて、相変わらずセクシー。
裸の体は均整の取れたスタイルで、ラフなズボンだけを履いている。
絡みつく誠也さんの体で、あたしの体は布団みたいにくるまり、とっても温かくて幸せな気分になる。
誠也さんのマンションに住む生活がはじまり、今でも信じられない気分になる。
涼くんの家に顔を出して、涼くんとも会話をした。
驚いたことに、涼くんにはすでにいい人が現れて、これまた電撃結婚したらしい。
荷物を引き取りに行き、なんだかすっかり元の幼馴染みに戻ってしまったようだ。
「俺はお前にずっと固執してたんだろうな、一緒に居すぎたから、分からなくなってたんだろうな?」
「結婚おめでとうだね?びっくりだよ?今度奥さんを紹介してね?」
「ああ、今度な?お前も早く真木とそうなるといいな?」
「まだ早いよ~」
「ま、そうだな、社長が手放さなさいからな~、社長に息子が居ねぇから、後継ぎを探してるからな~」
「え?」
誠也さんと何の関係があるんだろう?
すっかりカラリとした笑顔を見せる涼くんと、そんな会話をして別れたんだ。
誠也さんの部屋に戻ると、不安だったようで、ぎゅっと抱きしめられた。
「良かった、何もされてないよね?」
あたしの体を隅々まで点検しそうな勢いで、涼くんにいい人が現れたこと、
電撃結婚したことを伝えたんだ。
「そうか、麻生らしいな、今度一緒に飲みにでも誘うかな?」
「え、じゃあ、あたしも一緒に、涼くんの奥さんにも会いたいし」
「愛莉にお酒は飲ませられないな、他の男の前で酔うの禁止だよ?」
「飲まないもん」
むくれるあたしを、甘い視線でじっと見つめられて、頭を撫でて、そのまま髪に触れられた。
「じゃあ、今度一緒に、…っと、その前に会社の飲み会だな?新入社員も入って来ることだし」
「え、そうなんですか?」
誠也さんの話では、冬のボーナス前に何人か辞める人がいて、
新入社員が入って来ることになったようだ。
デザイン開発課にも、欠員が出たわけだし、1人部下が出来るみたい。