子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
藤原凛花side
手近なバーに野上と一緒に入って、良く分からないから、
甘めの柑橘系を注文する。
アルコール度数は高めに頼んでしまった。
あたしの様子を見て、くすりと笑う野上。
美形なイケメンだから、少し胸がときめいた。
「そんなの飲んで酔っても知らないよ?お持ち帰りされたいの?それとも誘ってる?」
甘くて艶やかな視線を見て、こういうの慣れてるんだと思ってせせら笑いする。
「あのねえ、あたしの実家酒屋だから、お酒には強いのよ、気を使う飲み会だと飲めないから、純粋に飲みたいのっ」
お分かり?
とは言っても、カクテルは飲み慣れてない。
「確かに気疲れするよな?俺も純粋に飲みたいと思ってた」
そう言う野上が飲んでるのは、ブランデーのロック。
「カッコつけてブランデーとか、お洒落なバーとかさ、どんだけ女慣れしてんの?あたしは居酒屋で日本酒とかビールを一人でもやるタイプなんだから」
「え~と、これって絡まれてる?」
「違うわよ、鼻につくイケメンだと言いたいのっ、それに比べて、真木部長は大人だわ~」
真木部長の尊さを語り、芋焼酎のロックを注文する。
「……へぇ、そんなに真木部長好きなんだ?しれっと森下ちゃんを、お姫様抱っこして、お持ち帰りする狼かもしれないよ?」
「真木部長はお持ち帰りしても、何もやんないんだよ~大人だから、森下ちゃんだからっ」
真木部長が森下ちゃんをお持ち帰りしたのは、何人か目撃されている。
ああ、あたしもお酒に弱かったら、何か過ちの一つくらいあってもいいのに。
「有り得ないね、連れて帰ったら、間違いなく俺はしちゃうね?森下ちゃんいい体してるし」
「でたっ、肉食発言、女ならなんでもいいわけ~?」
「そんな訳ないよ?森下ちゃんいいって言う男性社員多いよ?真木部長がお父さん的に守ってるからさ?」
知らなかった、やっぱり男の人は可愛いくて、小柄な女の子がタイプなんだ。
確かに森下ちゃんは可愛い。
あたしからしたら、愛でるだけで、尊いけど。
「へぇ、じゃあ、野上も森下ちゃんがタイプだったんだ~、真木部長が大人で手を出さないのを祈ろう?」