子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第4章 熱くなる体
藤原凛花side
「何で俺慰められてんの?違うし?前からずっとアピールしてるのに、本当、藤原って鈍感だよね?」
「はあ?何のアピール?」
首を傾げた瞬間、野上にいきなりキスをされた。
唇が軽く重なり、離れた瞬間、また唇が重なった。
ガタガタガタッ、
お洒落なバーは薄暗く、他のお客さんに見えない位置だけど、
背の高い位置の椅子、後退りしてぐらりと傾く椅子に、
落ちそうになり悲鳴を上げた。
ぎゅっと抱き上げられて、立ち上がって、抱き合った格好になる。
「……こういうこと」
分かった?
にっこりとした笑顔は、やけに色っぽくて艶やかで、
お酒のせいじゃなく、顔に熱が集まった。
慌てて距離を取り、椅子に座り直す。
「そういうとこ、慣れてる感じで何かやだ~」
「え~、またそれ?結構本気なんだけど、いつもはぐらかすのは藤原だよな?」
「あたしはイケメンが嫌いなのよ、女の子の敵だと思ってる」
「え~、なにそれ~」
今まで付き合いしたイケメンは、ほとんどが体目当て、
真面目な付き合いだと思っても、必ず横から他の女の子に、かっさらわれる。
悪いイケメン話を熱く語ってしまい。
ふいに真面目な視線とぶつかった。
「…ああ、もう、面倒な女だな?いいからおいで?」
手を繋がれて、引き摺られるようにして店を出て、タクシーに乗り込む。
「ちょっと、どこに行くのよっ!」
タクシーの中でぎゃあぎゃあ騒いで、酔っ払い扱いされて、
運転手に睨まれる。
「俺の住むマンション、……言っとくけど、家に誰も連れてったことないからな?」
「そんなの知らないっ、何であたしが野上の家に行かなきゃいけないのっ?」
「ほら、また怒られるから、静かにして?」
「あたしはまだ飲み足りないのっ、運転手さんこのあと○○市に…っ」
運転手に自分の家の住所を言うと、きっぱりと断られてしまう。
「飲み足りないなら、家に芋焼酎の名酒があるよ?何て言ったかな?人の名前みたいなやつ」
野上の悪魔の呟きにほだされて、まんまと彼の住むマンションに行くことになったんだ。