子供じゃない…上司に大人にされ溺愛されてます
第1章 片思い
涼くんの言葉に悲しくなり、口を尖らせてしまう。
「ちゃんと、大人になったもん」
桃の酎ハイをグビグビ飲んで、ぼそりと呟く。
「まあ、年齢だけはな?彼氏は出来たのか?」
「そんなの居ないけど、む…胸だって大きくなったし…っ」
「……はあっ?」
服の胸元を広げて、向かい側にいる涼くんに見せるようにして、
隣で真木部長が盛大にむせた。
「そういう付き合いなら、いつでも大歓迎だけど、お前にはまだ早い」
あたしの耳元に顔を寄せて、涼くんが囁く。
「……出来るもんっ」
隣にいる真木部長がテーブルを、おしぼりで拭いている。
周りはかなり、騒がしく、離れた場所で西島くんが、生ビールの一気飲みをしているのが見えた。
あたし達の会話は、誰も聞いてない。
聞いてないけど、酎ハイの残りを飲み干したあたしは、席を立った。