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『ま゜』

第2章 魔界街

『む"ら*む-ら゜(紗知様?)』

 レンガ造りの壁に囲まれた空間。床は高級感溢れる、色鮮やかな敷物、目の前には大きく広い階段がそびえ立つ。

『ば*い^お"は'ざ゜ーど(ここはどこ? 山野家ではないですね……)』

 水戸さんは辺りをキョロキョロと、見回す。

 どことなく、変だ。

 壁も、床も、まるで絵に描いたような、内装に見えた。

 いや、よくよく見れば、床の模様や、壁にかかったランプも、曲線がまるで見当たらない。すべて正方形を組み合わせた模様だ。

『!』

 後ろに、大きな扉が見える。

 あそこから出れば、帰れるのではないか?

 そう思いつつ、扉に向かって歩きだした。

 すると……

『ガチャ』

 自動的に扉が開いた。

「ふぅ~、やっとここまで来た。今まで、何回途中で死んだことか……」

 貧弱な体型で、白いパンツ1枚の30代男性が現れた。

『!!』

 人だ! そう思った。

 だが、その男性は、水戸さんを見るなり、「おのれ、魔物! 現れたかぁーーっ!!」となにも持っていない腕から、何本ものヤリを飛ばしてきた。

『り"ゃり"ゃり"ゃり"ゃ(いやぁぁぁーー!!)』

 逃げまわる水戸さん。

 だが、周りから、次々と異質なものが現れはじめた。

 腕を前に伸ばし、指をダランと下げながら前進する人の姿をしたなにかだ。

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