テキストサイズ

『ま゜』

第9章 脱出

 バリバリバリバリ

 突然、なにか剥がすような音が響いた。

 音子は驚いて、思わずゲームの神を離す。

 見ると、メカ水戸さんが、扉を破壊し、表面の金属素材をめくっていた。

 水戸さんは、メカ水戸さんの髪の毛となるカツラを取ると、頭の丸い部分を取り外した。

「ちょっと、なにやってるのよ水戸さん。メカ水戸さんの頭をはずしてるの?」

 水戸さんは、その半円型の金属を音子に示す。

 音子はそれを手に取った。

「えっ!? これって、ボウル?」

 銀色に輝く、調理道具の金属ボウルだ。よく見れば、ボウルが3つも重なっている。

 脇腹にあるハッチを開くと、中から泡立て器が出てきた。

 メカ水戸さんは叩いた金属の板を折り曲げ、底の浅い箱を作った。。

 水戸さんは、ボールに水を入れる。

 メカ水戸さんは、横たわり、その箱を顔に被せた。

 メカ水戸さんの口から火が吹き上がる。

「え、水戸さん……これって……」

 水戸さんは、目でゲームの神に訴えた。

 ゲームの神は、脳を読み取ったのか、声を上げる。

“なにぃっ!? 武器としてオーブンレンジが欲しいだと!? なにを言う……もう、ゲームは終わったんだぞ”

 音子が、満月ポンを取り出す。

“わかった、オーブンレンジだな”

 ゲームの神は、別室へ移動した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ