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『ま゜』

第2章 魔界街

『ま゛』

“素直だな……ところで、お主、なぜ、ここにいるのか、わからないようだな”

 水戸さんは、頭を縦に振る。

“頷くのはいいが、頷いたら、頭を上げようか。長い髪ダランが妙に怖い………………泣かなくていいから、ごめん”

 声の主は、やりにくそうに言った。

“まあいい、ここがどこだか教えてやる。信じられないかもしれないが、ここはゲームの中だ…………飛び跳ねて驚くんじゃない”

 水戸さんは、えらいこっちゃと走り回る。

『な"ぬ`ぬ*ぬ-ぬ゜(なぜ、私がゲームの中に!? 嘘でしょ!? そんな信じられないことが起こっていいの!?)』

“信じられないことって、お主、自分のことを棚にあげてなにぬかしとんじゃい!!”

『す*っ`き^り"の゜や"ま^ざ.と゜(あなたは誰?)』

“すまんが、話したいことは心で話せ。お主の話す言葉は、わかりづらいわ。なんとか解読はしているが、わからない部分もあるんだ”

 水戸さんは携帯電話を出し、文字を打ちはじめた。

“いやいや、それも見えにくいから……”

 水戸さんは、思った。

(読心術じゃあるまいし、これだけでわかるの?)

“うむ、それだとわかりやすい。読心術も出来るから、これからはそれで頼む”

 水戸さんは、以前DVDで見た、海亀の解体シーンを想像した。

“うわぁっ!! ぐうぇ……やめろ!! 気色の悪いシーンを思い描くな!! 全部、見てとれるんだぞ!” 

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