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『ま゜』

第1章 に゛

 紗知は本体の横にある、電源を入れる。すると画面には、その当時のゲームのタイトル画面が、ズラリと並んで映し出された。

『と*こ^ろ"じょ*ーじ-の゜い`い^か'た゜(うわ、すごいですねぇ、紗知様は、もうクリアしたんですか?)』

 水戸さんは、食い入るように画面を見る。

 紗知は、1つのゲームを選ぶと、画面には、選ばれたゲームのタイトル画面が出た。

「私、ゲームは得意なんだぁ。でも昔のゲームだからさ、ある程度のステージをクリアしたら、難易度が上がって、また1ステージ目から始まるの。だから、まだ、最後までクリアしてエンディングを見たゲームはないなぁ。でも、20あるゲームのうち、15はなんとか全面いけた。スゴいっしょ」

 紗知は、得意げに言った。

 これらのゲームが流行っていた時は、水戸さんは生前の18歳だった。

 紗知がプレイをはじめたゲームは、「魔界街」。

 主人公キャラを操り、街にはびこるモンスターを次々と倒していくゲームだ。

「これ、難しいの。なんとか、3面まではいくんだけと、そこから先はなかなか進めなくて……」

 地面から出てくるゾンビを、ヤリを投げて打ち倒していく。

 なぜか、水戸さんは目を被った。

「どうしたの?」

『ん'も^ろ"ろ(ゲームには思えなくて……)』

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