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『ま゜』

第1章 に゛

「うん、そうなんかなぁ……」

 紗知は複雑な表情を見せる。

『さ゜だ`こ*(お母様は、紗知様に恵実様のことを、そんな風に思わないでって、必ずおっしゃってると思いますよ)』

「うん……そうだよね。そうだよ、水戸さん、ありがとう」

 紗知に笑顔が戻る。

『ま"』

 水戸さんも笑うが、その顔は断末魔の叫びにも見えた。

 紗知は机の上に置いてある、ノートパソコンのようなものを手に取った。

「そうそう、水戸さん。これ、面白いんだよ」

『ん^?』

 それを開くと、上部に画面と、下部に十字キー、そして丸いボタンが6つ現れた。

「これ、ファミゲーポータブルコレクションと言って、昔のファミゲーソフトのゲームが、最初から20本入ってるんだよ!」

『ひ^き*こ'も-り"の゜ひ^っす*あ"い:て`む゜?(ファミゲーって、昔人気があった、ファミリーゲームセンターですよね?)』

「そう、今と比べてゲームのクオリティは低いけど、どれもむっちゃはまるの。それと、ここの十字キーに、この棒をはめ込むと、ゲームセンターのゲームのレバーみたいになるんだぁ」と、長さ5センチほどの棒の先に丸い球体のついたものを、カチッと音がするまではめ込んだ。

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