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狸の詩~漢情~

第34章 命

セックスがしたい。
セックスがしたくてたまらない。
避妊なんかしないで生で中にぶちまけたい。

こんな時に、人と接触してはならないこんな時でも危険も顧みないでセックスがしたい。

こんな時に頭おかしいのかと思ったら、セックスがしたいのはみんなも同じでラブホテルに人がいっぱいだ。

何故だ?恐怖や自粛で頭おかしくなってるのか?

いや、違う。
限りある命を持つ生き物の本能なのだ。
自分の命の危険を感じた時、新しい命を繋いで遺したくなる種の保存という本能なのだ。

新しい命も遺したいが、自分の命を遺したいという自己防衛もまた命を持つ生き物の本能。

だから、何とか欲望を抑えて引きこもり自家発電をする。

性に対する執着と生に対する執着が釣り合ってギリギリのところで無事に生きている。

命の答え、それは生きること。
命の答え、それは繋ぐこと。

ああっ、セックスがしたい。

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