
触って、七瀬。ー青い冬ー
第4章 仮面の家族
知らない方がいい?
「まぁ、やってみようか」
「え、ちょっと待って」
「うつ伏せになって」
翔太は僕をうつ伏せに寝かせた。
ズボンが下げられ、かなり恥ずかしい状況になった。
「あの、何ですかこれ」
「まずは慣らさないとな」
翔太が何かを取り出す音がした。
何か確認しようと思っても、首が回らなくて見えない。
「ちょっと冷たいですよー」
「ひっあっ!?」
トロッとした何かが、肛門に垂れた。
「ちょっと力抜いて」
「えっ」
そのまま、穴を翔太の指がつつく。
「あ、なんか、嫌だ、無理」
「最初はな。力抜けって」
「ど、どうやって?」
「名前、なんて言うんだっけ」
「七瀬、夕紀です」
「夕紀か。今高校生?」
「高2です」
「わっか!なんか急に罪悪感感じるわ。」
「翔太さんは?」
「22」
「え、意外と若い」
「失礼だぞ」
「あ、老けて見えるとかじゃなくて…
んあぁっ!?」
嫌な感覚がした。
「よし、先っちょだけ入った」
入ったって…嘘だろ。
「あの、これ全然」
「気持ちよくない?」
「ていうか気持ち悪い」
「そりゃあ初めてだし、まだ浅いし」
「どこまで入れるつもりですか!」
「全部入れる。あと最終的には俺の」
「あ…ありえない」
「ここまで来たんだから怖気付くなよ」
「元々そんなつもりじゃ…!」
「はいはい、力抜いて」
「ん…あ、うあ」
「もうちょっと」
逆流…してる感じ。
気持ち悪い。指でこんなにキツイのに、
もっと太くなるなんて信じられない。
「ああっ」
「よーし入った」
「待って、待って」
「待たない」
翔太は根元まで入った指を曲げた。
「んあ、やだやだやだ」
くちゅ、くちゅ、と音がする。
それがとても恥ずかしい。
指がゆっくり引かれる。
「あっ、あっ」
穴は、指に合わせてきゅっと勝手に締まる。
「どう?」
指が押し込まれ、穴が広がる。
「あ、やっだっ、あ、待っ、て」
指がまた、根元まで押し込まれた。
「んっんああっ」
決して気持ちいいわけじゃなくて、
初めての感覚に体が追いついていないのだ。今まで出すためだけに使われていたものに、何かを入れるなんて。
「奥、どう?」
指が押し込まれたまま、ぐりぐりと壁を擦った。
「わかん、ない」
