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本気になんかならない

第8章 バカ男子

このままでは靴の臭いを嗅がれそうだったので、俺は話題を逸らした。

「ふたり、仲良いね。つきあってるの?」

「オノレの目は節穴か?あれは男だぞ?」

「節穴はあんたでしょお?宮石君の爪の垢でも煎じて飲みなさい!」

そうやって気を遣わず言いあえるってのは、仲良いってことだよ。

俺は腫れ物に触るような王子様扱いされるより、そのほうがうらやましいね。
ほめてるように聞こえるけれど、自分だけ別物って区切られてるみたいで寂しいもんだよ?

それならバカ男子でくくられるほうが、よっぽどいい。

「爪に垢がついてる王子様なんているのか?」

「もののたとえよ!宮石君が触ればプレミアがつくけど、あんただったらバイオハザード指定ってことよ!」

「おお!それ、かっけー!」

見向きもされない普通ゴミになりたくなった俺は、はぐらかすように笑った。

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