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本気になんかならない

第10章 スクールデイズ?

俺のとなりに座るの?ま、もう着くから、いっか。

それでも緊張気味の俺に、小浜さんがヒソヒソっと尋ねてくる。

「それでね宮石君。財布とか、なくなってない?」

財布?財布は家に置いてきている。
捨ててはいない。
だけどもう、あの財布は使えない…。

小浜さんが怒る様子もないので、落ちついてきた俺は返す。

「持ってきてないよ」

すると「そう、よかった」と、小浜さんは微笑んだ。

うん、俺もよかった。殴られなくて。
と胸のなかでひとりごちた。

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