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本気になんかならない

第11章 王子様

寒い冬の夕暮れどき、周辺にはそんなに人もいなかったんだけど

「やだ、フェレットかしら?かわいそうに」
と、ヒソヒソした声が遠巻きに聞かれるなか

「お前っ、大丈夫か?」

その人影はためらいもなく駆け寄った。


どう考えても大丈夫じゃないよ…

飼い主さんなのかな?

目の前で、ショックだろうな…

と思いながら私が振りむくと、その人は、道路横の短い草の上に、その動物を寝かせた。

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